現実

現実を見つめ直す。

作品紹介『首無しの如き祟るもの』

一言いうと、マジで半端ない。推理小説好きなら、絶対に抑えておくべき。

 

『首無しの如き祟るもの』

 

首無の如き祟るもの (講談社文庫)

首無の如き祟るもの (講談社文庫)

 

 

民俗学を研究(探求?)する探偵である刀城言耶シリーズ。

 

ミステリー小説を紹介するサイトでやたら評価が高く気になっていたので、読んでみたのですが、これって推理小説のひとつの到達点なのではないか?

 

自分はこのブログで取り上げている以外にも推理小説は読みますが、トリックと物語の構造については、トップレベルの衝撃。マジでとてつもない。

だから、逆に考えると、ミステリー初心者はこれを1冊目に選んではダメです。

 

世界観としてはズバリ横溝正史そのもの。本家、分家や祟り、民族伝承など、世界観は怪奇推理小説といった感じ。ところごころにホラー要素もあるから、そのホラー要素を「科学的、合理的」に解決していく様が面白いです。

 

この作品でいうキーワードは「入れ替わり」。

タイトルにもあるように首無し死体が多く登場します。

この首無し死体はミステリー小説にはありがちなテーマで、

「なぜ犯人は首を切る必要があったのか」

「そもそも首無し死体は誰なのか?」

といったことは推理小説における一つの大きなテーマです。以前に紹介した京極夏彦魍魎の匣にも首無し死体が登場しますし、それを巡っての解釈も繰り広げられます。

 

 

本作『首無しの~』については、作中のトリック=トリックといっても殺人に使われるトリックと物語を構成するトリック)が衝撃的すぎる。

心に残る小説って、「犯人が誰だった」、とか、「使われるトリックがこういうトリックだった」ってその小説を読んだ後でも記憶しているのですが、しっかり脳に刻まれるほど衝撃的なトリックだと思います。

 

そして、その謎を解き明かす手法が、これまた衝撃的。この本、大体600ページちょっとあるのですが、謎がめちゃめちゃあります。謎が多すぎるので、途中で箇条書きで教えてくれます笑。500ページほどの段階でも、全く何が何だかわからなかった。ただ起こっている事件、事実に翻弄されるだけなんです。私は何も手出し出来ませんでした・・・。

このように、かなりの後半までいっても解決できる謎が全くなくて残り数ページで全部解決できるのか?と感じたほど。

大半の読者はこういう感じになると思います。

 

ただ、その一連の謎も、「たった一つの事実」に気づくと、

すべてがドミノ倒しの如く解決します。その爽快感はハンパないです。作品の時代背景は昭和の戦前、戦後とかそのぐらいの時代設定ですが、完成度が高いので、読みづらいとかそういうことはありません。

 

 

この『首無しの~』以外にも完成度の高い作品がありますが、作者の三津田氏はとてつもない頭脳を持っている人だと思う。よく誉め言葉で使われる「悪魔的頭脳」っていうやつ。