現実

現実を見つめ直す。

作品紹介『狂骨の夢』

狂骨の夢

 

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

 

 

やっと読み終えることが出来ました。

 

相変わらず、約1,000ページの圧倒的ボリューム。読み進めるにはある程度の覚悟が必要だ。

 

難点としては、やはり、重い。厚さも相当なモノになるから、バッグの中に入れると、かなり体積をとってしまうため、持ち運びには注意を要する。

 

こんな厚さにも拘わらず、読み始めるとページはすいすいと進む。京極夏彦の作品って文章がページをまたがないようにページを捲る前で必ず文章が終わるようになっている(文庫版だけ?)から読みやすいのかな。あとは、人が読みやすいってことは、文章書くのがやっぱり上手いんだなと思う。

 

京極夏彦の中で、最も有名なのが百鬼夜行シリーズの2作目である魍魎の匣であって、結論から言うと、この『狂骨の夢』を読んだ後でもそれは揺るがなかった。

 

 

saya1988.hatenablog.com

 

 

ただ、物語の重厚さ、人物描写、ラストに至るまでの伏線回収はとてつもなく、読んでいると眩暈する覚える。読んだ後はもうフラフラ笑。

 

内容はというと、フロイト、仏教、神道キリスト教、民族伝承、神経症、記憶喪失などなど難しそうな言葉のオンパレードで、その物語を構成する要素もかなり複雑で読むのであれば、一気に読まないと内容が頭で理解できないかも。内容てんこ盛りで、頭がよくなったような錯覚すら覚える。ページ数が多いから、ある程度まで、読んで1週間放置っていう感じだと、少し厳しいかもしれないです。

 

魍魎の匣がトップとは言ったものの、自分はこの世界観好きだな・・・。物語の構造も重くて結構好み。ただ、いわゆる「名探偵」がいて、「奇抜なトリック」があって、「犯人」がいる、といった王道的な推理小説とは、少し異なるものだから、探偵モノっていう期待はしないほうが良いかもしれません。

 

でも、この物語を取り巻く構造の作り方は本当に凄い!「4度夫を殺す」(文庫版の裏にも書いてあるのでネタバレ的には大丈夫だと思いますが)っていう謎の解決についても、よくもまあ文章上で作れるな、と寒気すら感じる。