現実

現実を見つめ直す。

作品紹介『魍魎の匣』

以前に紹介した小説からもう3ヶ月たっているなんて、サボりすぎました。

この間にもかなりの数の小説は読んでおりまして、読書をまったくしなかったわけではありません。

 

その中で、特に印象に残ったのが、京極夏彦魍魎の匣です。

 

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

 

 文庫版は1999年発売となっていますが、作品自体は1995年発売で、その年の「日本推理作家協会賞」を受賞しています。

 

 

この文庫版を買ったのは実は1年ぐらい前で読もう読もうと思っていたのですが、この厚さを前に、その当時の自分には耐えられるスキルが無く、長い間家の奥深くへ葬られておりました。

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厚すぎ・・・約1000ページあるから、普通の小説2,3冊分ぐらいあります。

 

 

そして今年、どうしても小説読みたい病になってしまい、家の奥底に眠っていた本書を発見。そしてその厚さにチャレンジするということと相成ったのである。

 

 

結論として、厚さもさることながら、凄まじい小説だ。本ひいては芸術・文化には多くのジャンルはありますが、少なくとも推理小説というジャンルの中では、今までの中の最高傑作と読んでも過言ではないと思う。細かくリアルな人物描写、ときに哲学的思索、怪奇幻想な雰囲気を醸し出す世界観、謎の解明に至るまでの論理的プロセスそして驚愕の結末など、とてつもなく楽しませてもらいました。

 

 

いやあ、人物描写はこのボリュームからなせる業でもありますが、本当に細かくそして感情移入できる。この作品にかかわらず、京極夏彦の小説読んだ後、他の薄い小説を読むと物足りなさを感じることもある。それぐらいの力量があります。

 

 

小説の中身としては、物語の冒頭の「匣の中の娘」の件がとても怪奇幻想的でそのまま小説の世界へと引き込まれる。ネタバレはあんまりしたくないので、深くは書かないけれど、「殺人にいたる動機を巡る議論」「物事の順序」など「これ」が「ここ」に「こういう形」で当てはまるのか!!といった形で論理構成が圧倒的。

好きな件は、上に書きましたが、動機にいたる京極堂(作中そして、シリーズの主人公)の解釈ですね。

 

 

このページの厚さを乗り切れば、本当に心に残る機会を得ることが出来ると思う。

アニメ版も少し見ましたが、若干の変更点はあるものの、作品の始まりから終わりまではしっかり描かれています。基本的に自分は小説版のほうが頭の中で自由にイメージが出来るので、小説版をおススメしますが。

 

魍魎の匣 BD-BOX [Blu-ray]

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 だけど、冒頭の「匣の中の娘」の件はアニメ版のほうが、おどろおどろしさを表現できていたような気がします。正確にいうと、アニメ版と小説版では、「娘」が違うので、若干アニメ版は推理要素を別の形で表現しています。