現実

現実を見つめ直す。

作品紹介『星降り山荘の殺人』

冬真っ盛りの時期なので、冬に合う推理小説を選んでみました。

 

ネットのおすすめミステリー小説にはかならず紹介されるような有名な作品で、長らく手を付けていなかったのですが、この際読むことが出来ました。

 

『星降り山荘の殺人』

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

 

 

内容は、とある経緯で、雪山の山荘に集まった7人に殺人事件が発生、悪天候のため外部との連絡手段が途絶え、山荘に閉じ込められた状況で、犯人探しを始める・・・という王道な展開。いわゆる「クローズドサークル」的ミステリー。

 

 

以下ネタバレ・読後の感想を含むので、未読の方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくまでも個人の感想なのでご容赦ください。

 

結論を言ってしまうと、本作の全ては倒錯トリックに賭けられています。登場人物に与えられた配役を誤認させる、人間の先入観を利用した仕掛け。本当にこのトリックが全て。ヤカンの緊急警報装置についての「見た目は単純だが、その論理構造が実は複雑」っていう構成は個人的に好きな展開だったけど、殺人の動機や最後のとって付けた展開(ある登場人物のキャラは結局なんだったの?最後の格闘技は何?実はこれが一番の謎ではないか?)は興ざめてしまい、全体としては、この倒錯トリックありきになっている感がある。

登場人物もちょっと個性的すぎて、腹が立つ場面が多かった。メインキャラの星園もウザいって思った人多いのでは?(実は、結論から言って探偵役でもないから、探偵役=作中ではまともな人物っていう先入観が招いているため、実は作者の罠に嵌っている!!)

ミステリーをそんなに読んでいない読者はこの仕掛けにはびっくり仰天するものだろうと思った。自分としては、読む時期が悪かったなあと少し後悔。

 

物語の随所でその章の概要や、「この部分はあまり重要ではない」的なメッセージが挿入され、「親切だなー。」って思ってしまったら、まんまと罠に嵌っている。この挿入が本作の倒錯トリックを成立させる仕掛けであるからです。

 

 

一種危険な仕掛けではあります、作品がここまで、有名なミステリー小説として君臨している点をいうと、推理小説史上に残る稀代なトリックであることは間違いないと思います。