現実

現実を見つめ直す。

作品紹介『暗色コメディ』

結構、古い作品なのだけれど、キンドルで読めて、作品自体も面白かったです。

 

暗色コメディ (文春文庫)

暗色コメディ (文春文庫)

 

 

ノベルス版が1979年ってこれ40年前の小説なんだ!!そんな前に書かれた小説でしたが、読んでいるうちは全く感じなかったです。連城三紀彦の作品ははじめてでしたが、作品の雰囲気がとても面白く、読むことに没頭させてくれました。

タイトルからはどういうジャンルの小説か分かりませんが、がっつり本格推理小説です。

 

 

作品の構造自体はかなり複雑で、一人一人の登場人物も初見ではかなり謎に満ちているので、一回で全体を理解しようとするのは中々難しいと思います。舞台が精神病院で、その患者が物語のキーにもなってくるのですが、自分はこういう雰囲気が結構好きなので、すいすい読めましたけどね。

 

 

事件の背景やラストについても結構好きな部類で、若干ネタバレになってしまいますが、犯人?の裏にさらに黒幕がいるといった構造はめちゃめちゃ好きです。しかもその動機が恐ろしければ恐ろしいほど。この作品の場合はそのパターンではないのですが、途中まで、頭の中が「?」でした。何をいっても分からないと思うので、気になる方は小説を読んでください。この作品のポイントは「犯人は誰だ」ではなく、「事件はなぜ起こったか」ということですね。そして、これがタイトルの「コメディ」に結びついているというカタルシス。カッコいい言葉を使ってしまいましたが、確かに読み終えた後、事件の全体を踏まえたら、確かに「コメディ」でした。ただ雰囲気は暗いですが。