現実

現実を見つめ直す。

作品紹介「頼子のために」

小説のジャンルでは、推理小説が好きで、年間50冊~100冊程度読んでます。

 

 

中でも「本格」が好きで、海外作家ではカー、クリスティ、日本では、法月綸太郎有栖川有栖、とかを好んで読んでいます。本格推理小説が好きになったのは、その論理構築の巧みさがあると思います。あまりにも現実離れしてると、読んでいる間に興ざめてしまうのです。

 

 

 

本格推理小説作家の中でも、法月綸太郎の作品は全て読んでいる(と思います)のですが、この作家の作風が好きなんですよね。読み終わった後の少しノスタルジー・憂鬱感が。

 

 

 

法月作品で今のところ好きなのが「頼子のために」。レビューとかにもあるように、本当に読後感が悪い(もちろん良い意味で)。

 

 

新装版 頼子のために (講談社文庫)

新装版 頼子のために (講談社文庫)

 

 

 

 

物語が手記で始まって、探偵の綸太郎(作家名と同名の探偵役)がその矛盾点等を推理していく展開が、当時推理小説の入り口に立っていた自分にとっては、かなり衝撃的でした。ページ数もべらぼうで厚いわけではない(確か400ページも無い)ので、読み始めるのが億劫になることも無いと思います。

 

 

 

そして何よりも物語のラスト。単に殺人事件が起こる⇒探偵がトリックを暴く⇒犯人を見つける。という単純な流れではなく、事件の構造は歪で、人間の闇を描写する感じが最高に良いです。タイトルの「頼子のために」という意味が読後だと、より一層考えさせられます。

 

 

 

また、本格だからこそ、物語の因果関係もきれいですね。一番の特徴としては、後味の悪い作品として、単なる推理小説ジャンルにとどまらない規模だと思います。